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めざせ!一流シーマン! ~海の男育成委員会~

せんぐ屋の店長のブログです。 海の男の伝道師として、"カッコイイ海の男"目指して自分磨きをしていきます! よろしくお願いしますね~!

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イージス艦事故に学ぶ

イージス艦「あたご」と漁船「清徳丸」の海難事故が起きて既に10日が過ぎました。
行方不明の吉清さん親子の2人は未だに見つかっていません。
一刻も早いお2人の発見を心よりお祈りいたします。


事故当初以来、ネット上では様々な意見が交換されています。
その多くは「イージス艦が悪い」や「ライフジャケットを着けていなかった漁船が悪い」など、どちらが悪いのか?と言う点にフォーカスされているようです。
確かに事故原因を徹底的に解明して、それを再発防止に役立てないと、同じ様な悲劇が3度繰り替えされかねません。
ですが、それは海上保安庁が調査をしていますし、いづれは海難審判庁で(あるいはその後裁判所で)裁かれるはずです。
判断はその時でよいのではないでしょうか。


当ブログでは、海の男(見習い)の立場からこの事件について思うことを書いてみたいと思います。


私には2人の尊敬する海の男がいます。
1人は私の父親で、海上自衛隊に勤務しておりました。
もう1人は私の義父で、某大手商船会社勤務を経て海難審判庁で働いていました。

父はよくこう言います。

「海では『ああ、準備しておけば良かった』と思っても、どうしようもないときがある。たった3m先にあるロープを結びに行こうと思っても、時化てきたらそれすら出来ないことがある。だから常にそのときに備えて万全の準備をしておかなければならない」

義父は先日商船会社勤務の時の話で、

「フィリピンの辺りの浅瀬の多い海域を航走ってたときに霧で辺りが全く見えなくなったとき、無理をして先に進まずに来た航跡を辿って逆戻りして、浅瀬のある海域を大きく迂回して目的地に向かった」

と話してくれました。

2人が言葉も表現方法も違いながらも「常に最悪のケースを想定して、対策を打つ」と言う事こそ、海の男にとっての金言だと私は思います。


大自然の力の前にいかに人間が無力かは船乗りなら誰でも知っています。
知っているからこそ、海の上ではお互いを支え合い、困っている人や救助を待つ人がいれば率先してそれを助けます。
シーマンシップと言われているものがそれです。
自然の力の前にどうにもならないときがある。
だからこそ注意していれば回避できる船同士の海難は何があっても避けなければならない。
今回の事故はそういった意味で残念でなりません。


「法律に則っていたかどうかは事故の後の問題。本当に留意すべきは何があっても事故を起こさないこと。危険な状態まで近づいてしまった時点で当事者達は本当のプロではない」

海の男を目指す者として、心にとどめておきたい言葉です。
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